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【意味ない?】失敗するオウンドメディア運用と成功する秘訣
顧客エンゲージメントとは、顧客とプロダクト(商品やサービス)を扱う企業との間の信頼関係のことを指します。
店舗に赴かずネット上で購買行動を完結する人が多い現代では、オウンドメディアにより顧客の興味関心を惹きエンゲージメントを高めることは、ビジネス成果を向上させる重要な要素です。
しかし「サイト分析をして顧客エンゲージメントを高めるべき」と言われても、具体的にどう動いていけばよいのかわからない方も多いことでしょう。
そこで本記事では、顧客エンゲージメントの基礎知識からオウンドメディアにおける目的ごとの指標・計測方法、具体的な改善方法まで網羅的に解説します。
売上向上・ブランディング・会員継続率向上など、様々なビジネス課題の解決に役立つ方法が満載なので、ぜひ参考にしてください。
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目次
エンゲージメントには「誓約」や「深い結びつき」の意味合いがあり、一般的に顧客エンゲージメントとは企業やブランドと顧客との間の継続的な相互作用と関係性の深さを表す指標のことです。
コンテンツマーケティングにおいては、Googleアナリティクスによるエンゲージメントの定義(※)をふまえると以下のようなユーザー行動を指します。
※参考:Googleアナリティクス「エンゲージメント: 定義」
上記のように、ウェブサイトやSNSでの滞在時間・コンテンツの閲覧回数、共有数などの行動指標を通じて測定されます。
まとめると、オウンドメディアにおける顧客エンゲージメントとは、「読者(顧客)の企業・ブランドへの興味関心度合いを測る指標」のことを指しています。
オウンドメディアにおいては、運用目的によって高めるべきエンゲージメントは異なるので、目的ドリブン※で指標を設定することが重要と言えます。
※目的ドリブンとは:目的を中心に据えて行動する考え方のこと
オウンドメディアの主な運用目的と指標については、以下の通りです。
運用目的の例 | より重要なエンゲージメント |
ブランディング | UU数、閲覧時間、SNSシェア数 |
タッチメントの増加 | UU数、再訪数、SNSシェア数 |
購入リピート率/会員継続率の向上 | 購入後に読むような記事へのアクセス数、閲覧時間、回遊率、再訪数、購買行動 |
新規購入を増やしたい | UU数、再訪数、購買行動 |
例えば上記表でいうブランディングがオウンドメディア運用の目的であれば、目に留まるユーザーの母数(UU数)を増やすことで認知が広がります。
また、読み込んでもらえるコンテンツを作成する(閲覧時間を延ばす)ことで、ブランド理解が深まりロイヤルカスタマー育成に繋がり、情報を拡散(SNSシェア)してもらうことで更なる認知度向上に繋がります。
尚、目的ドリブンな指標を設定する際には、以下を意識することがおすすめです。
事前に複数の指標を設定することで、「再訪数と回遊率が高く、SNSシェア数も多い=ロイヤルカスタマー化できている可能性が高い」というように、定性的な状態を測るうえでより精度高い仮説立てができるためです。
また、実値が出た後には相関関係にある指標があるか確認し、設定した指標が正しかったか・より重要な指標はどれかを把握しPDCAを回すことが大切です。
適切な指標で計測・改善に臨まなければ費用対効果が低くなるため、エンゲージメント向上を目指す際はまずオウンドメディアの運用目的を明確にすることから始めましょう。
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ここからは、オウンドメディアにおける主な顧客エンゲージメントを測定する指標についてご紹介します。
オウンドメディアの運用目的に合わせて、どの指標がより重要となってくるかを考えながら参考にしてみてください。
ユニークユーザー数(UU数)とは、サイトを訪問した個別のユーザー数を表す基本的な指標を指します。
似た用語としてセッション数(SS数)・ページビュー数(PV数)・アクセス数があり、違いは以下の通りです。
UU数を計測することでどれほどの人が日々サイトを閲覧しているのか把握でき、向上させることで認知度やCV数の向上・リード獲得に繋げることが可能です。
ページの滞在時間は、コンテンツの質とニーズとの関連性を示す重要な指標となります。
具体的に、閲覧時間の長さから読み取れることは以下の通りです。
閲覧時間の長さ | 読み取れること |
閲覧時間が長い | ・内容が読者のニーズを満たせている ・視覚的に読みやすいコンテンツとなっている ・構成が読者の思考に合う流れとなっている ・読者のロイヤリティが高い(再訪数と合わせて確認) など |
閲覧時間が短い | ・導入で続きを読みたくなる訴求ができていない ・次の疑問解消に繋がる構成・内部リンク設置ができていない ・サイトの読み込みが重い ・文章がわかりづらい(結論ファーストではない) など |
一般的にせっかちなユーザーが多い中で閲覧時間が長いということは、興味関心を惹けている・読みやすい高品質なコンテンツであると言えます。
閲覧時間を延ばすことで得られるメリットは以下の通りです。
ただし閲覧せず放置している時間も加算されるため、Clarity※のヒートマップ等でスクロールの動きと合わせて計測するのがおすすめです。
※Clarity:Microsoft 社が提供する無料のヒートマップツール
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回遊率とは、ユーザーがサイト内で複数のページを閲覧した割合を指します。
【回遊率の計算式】
回遊率の高さから読み取れることは以下の通りです。
回遊率の高さ | 読み取れること |
回遊率が高い | ・サイト全体の専門性が高く読者のニーズを満たせている ・読者の思考に合う内部リンク構造となっている ・視覚的に読みやすいコンテンツとなっている ・読者のロイヤリティが高い(再訪数と合わせて確認) など |
回遊率が低い | ・カスタマージャーニー(先の行動)を意識したKW選定ができていない ・サイト内コンテンツの関連性が低い ・次の疑問解消に繋がる構成・内部リンク設置ができていない など |
継続的に再訪数が多く回遊率も高いユーザーが多ければ、ロイヤルカスタマーのナーチャリング(育成)がうまくできているサイト構成であると言えるでしょう。
再訪数とは一定期間内に再訪問した回数を指し、再訪数の多さから読み取れることは以下の通りです。
再訪数の多さ | 読み取れること |
再訪数が多い | ・サイト全体の専門性が高く読者のニーズを満たせている ・独自性が高い(差別化したブランディングできている) ・フェーズが変わってもニーズを満たせるコンテンツが豊富(別ページの閲覧の場合) ・読者のロイヤリティが高い(回遊率や滞在時間と合わせて確認) など |
再訪数が少ない | ・印象に残りづらい(独自性が低い) ・上位を獲れている記事が少ない(タッチメントが少ない) ・顧客をファン化させるコンテンツが少ない など |
再訪するまでにかかった期間が短いほど興味関心が高く購買行動にも繋がる可能性が高いため、再訪期間も注目すべき指標です。
購買行動とは、消費者が特定のプロダクト(商品・サービス)を認知・購入するまでに取る一連の行動を指します。
購買行動から読み取れることは以下の通りです。
購買行動の例 | 読み取れること |
問い合わせフォームの利用 | ・プロダクトへの興味関心度が高い(購買前の疑問解消等だった場合) ・既存顧客ニーズが把握でき、リピート率向上に活かせる(購買後の疑問解消等だった場合) |
資料ダウンロード | ・プロダクトへの興味関心度が高い(プロダクト関連の顕在層向け資料の場合) ・現在のフェーズ、ニーズが把握できる(プロダクト以外の潜在層向け資料の場合) |
商品の購入・申し込み | ・どのCTAからCVに至ったか確認することで、ニーズの把握ができる |
上記のように様々な視点での指標がありますが、UX設計が万全なオウンドメディア運用を行ううえでは重要な要素となります。
SNSシェア数やコメント数は、ブランドの価値と影響力を示す指標にもなり得ます。
SNSのシェア数から読み取れることは、以下の通りです。
読み取れること | |
一時的にシェア数が多い場合 | ・流行に添った内容でニーズを満たせており、一時的に話題となっている ↳一時的な売上向上になり得る ↳認知拡大によりリード顧客獲得に繋がる |
安定してシェア数が多い場合 | ・認知が高く、ブランディングできている ・顧客のロイヤルカスタマー化ができている ↳リピート購入や会員継続率の向上に繋がる |
上記表のように、シェア数が一時的に多いのか/中長期的に多いのか、またどんな内容がシェアされているのかによっても読み取れることが変わります。
続いて、オウンドメディアにおける顧客エンゲージメントを測定する方法・ツールをご紹介します。
各ツールの利用料やどんな指標が測定できるか等、概要を順に解説していくのでぜひ参考にしてください。
引用元:Googleアナリティクス
利用料金 | ▼無料版(GA4) ▼有料版(GA360) 変動制(要問合せ) ※有料版は主に大規模企業向け |
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計測できる主な指標 | ユーザー数(新規/再訪) PV数、SS数、CV数・率 エンゲージメント率 イベント数、滞在時間 訪問者の移動経路 検索KW 地域・デバイス情報 など |
運営会社 | Google LLC |
URL | https://developers.google.com/analytics |
Googleが提供している最も基本的なWebサイトやアプリの分析ツールで、訪問者数、滞在時間、離脱率などの基本指標を無料で測定できます。
トラフィック分析ツールを使用している全世界のウェブサイトのうち、約86%が使用※しているほど認知度が高いツールです。
※参考:Mage Comp「Google Analyticsの統計と利用状況:2025年」
有料版は大規模企業向けで高額となっていますが、無料版との主な違いはサポートの手厚さ・データ収集量の多さ・データ保持期間の長さ等に差がある点で、無料版でも充分網羅的な機能が備わっています。
2025年現在、日本においてSEOはGoogleの検索エンジンに対して行うことが一般的であるため、Webサイトを運営している人はGoogleが提供するGA4を使うことから始めてみるのがおすすめです。
引用元:Ahrefs
利用料金 | ▼無料 ・被リンクチェッカー ・ウェブサイト権威性チェッカー ・リンク切れチェッカー ▼有料:月額4,460円~ ・SEO分析ツール |
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計測できる主な指標 | ソーシャルメディアシェア数、 PV数、トラフィック数 など |
運営会社 | Ahrefs Pte.Ltd |
URL | https://ahrefs.jp/ |
SEOとコンテンツパフォーマンスの分析に特化したツールで、無料/有料とで利用できる機能の範囲が異なります。
有料版は月額4,460円~ですが、エンゲージメントの分析だけでなく検索順位やキーワードの検索vol・被リンクの分析等と、オウンドメディア運用に重要な機能が満載でコンテンツ戦略の立案に役立つため、おすすめです。
オウンドメディア運用においてなるべく利用ツールをまとめたい人は、ぜひ活用してみてください。
引用元:Clarity
利用料金 | 完全無料 ・アクセス数無制限 ・データ保有期間の制限なし |
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計測できる主な指標 | クリック位置 スクロール深度 過剰スクロール 購買行動(セッションレコーディング) クイックバック(即座の離脱) PV数、滞在時間 など |
運営会社 | Microsoft |
URL | https://clarity.microsoft.com/ |
Microsoftが提供する行動分析ツールで、ヒートマップやセッション録画機能を通じてユーザーの実際の行動パターンを可視化できます。
ユーザーがどこまでスクロールし離脱しているか、どこをクリックし興味関心を抱いているか等、実際のユーザー行動をもとにより精度の高いロジックで分析・改善に臨めるため、非常に便利です。
完全無料と気軽に使えるため、顧客エンゲージメントを高めたいと考える方はぜひ活用してみてください。
サーベイとは、物事の全体像や実態を広く把握するために調査することを指します。
つまりユーザーサーベイとは具体的に言うと、サーベイの目的設定・ユーザーへのアンケート調査等・調査結果の分析(課題抽出と改善策考案)までの一連の調査のことです。
プロダクトに対する評価や悩み・疑問等を調査し直接的なフィードバックを収集・改善していくことで、解約率の低下・リピート購入率の向上に繋がったりと、顧客の満足度・信頼感が高まる効果が期待できます。
メールでのアンケート調査もできますが、Google Formsなど無料で使えるアンケート調査ツールもあるので、顧客エンゲージメント向上を目指す人はぜひ活用してみましょう。
オウンドメディアにおける顧客エンゲージメントを向上させる方法について、以下3つの軸でご紹介します。
いずれも高品質なコンテンツ作成に関わる部分となり、サイトを運営するうえで基礎として知っておくべき実践的な内容のため、確認しておきましょう。
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勘や主観・定性的な要素だけではなく、分析データに基づいてコンテンツを最適化することで、オウンドメディアにおける顧客エンゲージメントを向上させることができます。
どんなコンテンツがよく読まれているのか、滞在時間が長いのか、上位を獲れているのか、CVRが高いのか等と、データ解析結果をふまえて根拠を持って仮説立てしコンテンツ制作に臨むことが重要です。
また顧客の興味・関心は日々変化していくため、毎日・毎週・毎月等と定期的にツールで分析しリライトを行い、タイムリーで高品質なコンテンツを追求し続けることも必要となります。
顧客エンゲージメントを高め続けるためには「現在の顧客ニーズ」に向き合い続ける必要があるため、分析ツールを駆使してデータドリブンな運営を心がけましょう。
オウンドメディアにおいて顧客エンゲージメントを高めるためには、ペルソナ分析に基づいた適切なコンテンツ制作が重要です。
的外れな訴求をするコンテンツをいくら作成しても離脱率が高まり、エンゲージメントは高まりません。
まずは自社プロダクトの強み・弱み・市場における競合との差別化ポイント等をよく理解したうえで、業界内でのターゲット層を明確にし、ペルソナ分析をもとに潜在層~顕在層まで各フェーズのニーズを調査しましょう。
ペルソナ分析の際には、カスタマージャーニーマップを作成しUX設計をするとペルソナ像がぶれにくくなるのでおすすめです。
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ターゲット層のニーズ調査ができたら、現時点でのユーザーの悩み・温度感からプロダクト購入に至るまでのストーリーを逆算で思考し、コンテンツの構成に落とし込んでみましょう。
またページ単体で考えるだけでなく、ユーザーの次のフェーズに合う他のコンテンツに適切に内部リンクをつなぎ回遊率を高めることも、エンゲージメント向上において重要です。
PCよりもスマホユーザーが増えている現代において、モバイルでの閲覧体験を重視したコンテンツ設計が不可欠です。
引用:総務省「インターネット利用機器の状況(個人)」
ニーズを満たした訴求をしていても見づらいサイトは当然離脱されてしまい、滞在時間が短いほどエンゲージメント向上は難しくなってしまいます。
改善策としては、1文の長さ(改行の多さ)調整や文字装飾・テーブル装飾の活用、オリジナル画像にも力を入れて、文章続きとならず視覚的にメリハリがあり飽きさせないコンテンツ制作が大切です。
その他にも、デバイスの画面サイズに依存しないWebサイトを作れるレスポンシブデザイン※を取り入れることもおすすめです。
※レスポンシブデザイン:画面サイズに合わせて自動で画像配置などが調整される仕組み
スマホユーザーは短時間でより多くの情報収集を好み、文章を読み込むことを面倒と感じる場合が多いため、瞬時に「欲しい情報がある」と理解してもらえるよう簡潔でわかりやすいコンテンツ制作を目指しましょう。
企業のフェーズや課題に沿ったオウンドメディアの効果的な活用は、顧客エンゲージメントを高める強力な手段となり得ます。
測定可能な指標の設定、適切なツールの活用、そしてデータに基づいたコンテンツ最適化を通じて、継続的な改善サイクルを確立することが成功への鍵となります。
しかし本記事でご紹介したように、専門用語や複雑な数値分析・PDCAサイクルの継続など、知見や経験があまりない人がオウンドメディア運用を成功させることは難易度が高いのが実情です。
初心者はまずプロの支援を受け学びながら「リソースをふまえて継続的に外部に委託する」のか、「インハウス化するために一時的にサポートを受ける」のかを判断していくのが建設的でしょう。
弊社(株式会社Leo Sophia)では、10年間のメディア運用の実績・ノウハウを活かして、クライアント様の事業フェーズに合わせたオウンドメディア運用支援を行っています。
一気通貫性のためオウンドメディアの戦略設計からサイト立ち上げ・コンテンツ制作、効果測定など網羅的なサポートが可能で、各分野のプロが様々な事業課題に柔軟に対応いたします。
無料相談も承っているため、オウンドメディア運用において悩み・課題を持つ方は気軽にまずはご相談ください。
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