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内部リンクとは自サイトにあるページ同士を繋ぐリンクのことです。
サイトを運営する上で内部リンク施策は重要な施策です。
なぜなら、内部リンク施策はサイト全体の評価に大きく関係があり、検索順位や流入数、売上に影響を与えるためです。
しかし、内部リンクの原理や適切な設置方法を知らずに施策を行っても十分な効果が得られません。
本記事では、内部リンクの意味だけでなく、効果的な設置方法や注意点を実例を交えてわかりやすく解説していきます。
なお、本記事で解説している内容は下記YouTube動画でも解説しているため、音声で理解したい人、より多くの図解を見て理解したい人はぜひご覧ください。
内部リンクとは、前述した通り自サイトにあるページ同士を繋ぐリンクのことです。
主に、コンテンツ内にある内容をより詳しく解説しているページや関連するページに誘導したい時に活用します。
内部リンクの最大の目的は、「自サイト内で、ユーザーが必要としている情報へ誘導すること」です。
サイト内でのユーザーの動きが活発化することで、”情報が網羅されたユーザビリティが高いサイト”と評価され、サイト全体の評価向上が期待できます。
しかし、ユーザーを他ページへ多く誘導させたいという視点だけで、単に内部リンクの数を増やすのはNGです。
内部リンクには、ユーザーを自然な形で他ページへ誘導する考え方と設置方法があります。
これらを叶えて初めて、内部リンクの効果をサイト評価に反映させることが可能です。
そのため、内部リンクの考え方と設置方法は必ず抑えておくようにしましょう。
内部リンクとよく一緒に考えられるものとして「外部リンク」があります。
外部リンクとは、自サイトと他サイトを繋ぐリンクです。
主に、外部情報を用いてより情報を詳しくユーザーに伝える場合や、他サイトの情報を引用した場合に活用します。
逆に他サイトから外部リンク(=被リンク)を獲得することで、”役に立つコンテンツ”としてGoogleから高い評価が得られ、サイト評価を上げる効果が期待できます。
被リンクについて詳しくはこちら!
関連記事: 「被リンクとは」についてわかりやすく解説!
最適な内部リンク構造で得られるSEO効果は下記の3点です。
これらによってサイト全体のSEO評価を高められ、結果的に検索順位に影響を与えられます。
SEO対策についてもう一度確認したい方はこちら。
関連記事: SEOとは?種類や仕組みから必要な施策まで初心者でも分かりやすく解説
クローラビリティとは、各ページ上の内容を収集するプログラム「クローラー」がどれだけページを見つけやすい状態になっているかを示す用語です。
新しい記事やアップデートした記事はすぐに検索エンジンに登録され、検索順位に反映されるわけではありません。
クローラーをページに巡回させ、ページの内容を収集し、登録してもらう必要があるのです。
クローラーはリンクを辿って、新しいページやアップデートしたページを巡回します。
つまり、最適な内部リンク構造はクローラーが回りやすい構造、つまり”クローラビリティが高い”サイトに構築できます。
逆にリンクが繋がっていないページは、クローラーに巡回されにくい状態になってしまっているということです。
クローラビリティの向上は、検索エンジンに情報が正しく伝わりやすく、新しいページや修正したページの情報が素早く反映され、結果的に検索順位の上昇にも繋がります。
この状態を構築するための手法として内部リンク対策が役に立ちます。
ユーザビリティとは日本語で「使いやすさ」という意味です。サイト内での情報の得やすさや回遊のしやすさなどユーザー体験のことを指します。
内部リンク構造はクローラーだけでなく、ユーザーにとっても利便性の高いサイトの構築に役立ちます。
例えば、内部リンクについて調べている際、「外部リンク」の存在を知りました。そこで外部リンクについてもクリック1つで簡単に知ることが出来たら、利便性の高いサイトだと感じてもらえるということです。
Googleは「ユーザーの利便性」を第一に考え検索エンジンの開発を進めています。そのため、内部リンクによってユーザビリティを高めることで、サイト評価にも繋がると考えられます。
サイト滞在時間や回遊率は、”必要な情報を網羅的に得られる有益なサイト”として判断される指標とされています。
ユーザーが内部リンクを辿って、複数ページを閲覧することでこの2つの指標を高めGoogleからの評価を獲得でき、結果的にサイト全体で掲載順位の上昇に貢献します。
内部リンクは”ただ貼るだけ”では、最大限の効果が発揮出来ません。
内部リンクの貼り方にはいくつかのコツがあります。それらを知らずに貼っても、想定したユーザーの動きや検索エンジンへ良い影響が与えられず、無駄な施策となってしまう可能性があるためです。
そのような事態を防ぐためにも、効果的な内部リンクの貼り方とコツを抑えておきましょう。
内部リンクは関連性の高い記事同士を繋ぐようにしましょう。
関連性の低い内部リンクは、ページ評価の低下に繋がるためです。
内部リンクは、リンク元ページの評価をリンク先ページへ渡すことができ、これを「リンクジュース」と呼びます。
リンクジュースの量は、内部リンクを設定した各ページへ均等に分けられるわけではありません。リンク元のページと関連するテーマや情報であること、ユーザーにクリックされているかで決定されます。この考え方を「リーズナブルサーファーモデル」と言います。
リーズナブルサーファーモデルで、”関連性が低い内部リンク”と評価された場合、そのリンクの質が低いと判断されるだけでなく、そのリンクを設定しているページも低品質だと評価されます。
そのため、むやみに多くの内部リンクを貼るのではなく、関連性のあるページの内部リンクのみを設定することが重要です。
内部リンクを設置するテキスト(=アンカーテキスト)は、クリックした先にどのような情報があるのかユーザーがわかる内容にしましょう。
アンカーテキストはクローラーにリンク先の情報を伝達する役割があります。
そのため、アンカーテキストには「対策KW」をいれるようにしましょう。
これによりリンク先の内容をクローラーが認識したうえで巡回するので、リンク先のページも正確に検索エンジンに登録されやすくなります。
下記は、正確に情報を伝達させるためのアンカーテキストの例です。
良い例:検索順位が下がった原因を知る
悪い例:検索順位が下がった理由が知りたい方はこちら
良い例はアンカーテキストだけで、クリックした先にどんな情報があるのかユーザー視点でも想像できます。
一方で悪い例は、前後に関連する説明があったとしてもアンカーテキストだけでは、リンク先にどのような情報があるのかわかりません。
アンカーテキストには、リンク先の内容を具体的に記載するようにしましょう。
重要なページとは、「ピラーコンテンツ」と呼ばれ、サイト内でトピックの柱となるようなページを指します。
このピラーコンテンツへ同じトピックのコンテンツ(=クラスターコンテンツ)を繋ぐ内部リンク構造を作るようにしましょう。イメージとしては下記の図のようになります。この構造のことを「トピッククラスターモデル」といいます。
トピッククラスターモデルは、幅広いユーザーニーズに対応できるためユーザーにとって有益な情報が得られやすいサイト構造につくりあげられます。つまり、1回の流入で複数ページへの遷移されやすくなるため、回遊率・滞在時間の上昇が期待できます。
また、SEO観点からもクローラーの巡回しやすさや、リンクジュースの効率的な分配により強いサイト構築ができます。
記事が多くなってくると内部リンクが煩雑になったり、逆に内部リンクが繋がっていない孤立した記事が発生してしまう場合がよくあります。
そのような状態を防ぐためにも、トピッククラスターモデルを取り入れましょう。
ここからは、具体的に効果的な内部リンクを設置場所をご紹介します。
内部リンクを貼る場所は、用途によって変わるので目的に合わせてどの貼り方が最も適しているか参考にしてください。
コンテンツ内の内容の中で、さらに詳しく説明しているページがある場合は内部リンクを設置します。
このとき、コンテンツを読み進める中で、「ユーザーがもっと知りたいと思う情報」をリンクにすることが重要です。
その記事の検索意図を汲み取り、関連したキーワードや情報がサイト内にあれば、それを設置することでこれを叶えられます。
「オウンドメディア戦略とは」の記事へ「オウンドメディア 意味ない」の内部リンクを入れる際は下記のように文章内に挿入します。
「オウンドメディア戦略とは」の記事には「どのような戦略方法があるのか」という疑問を持って流入してきたユーザーが大半です。しかし、そんなユーザーへそもそもオウンドメディアの運用が必要ない可能性もあるという追加情報を与えることで、他ページへの誘導を期待することができます。
ただ、この設置方法は仮説であるため、設置後にリンクのクリック数やヒートマップを活用して最適化を目指すようにしましょう。
各ページに設置するもので、ユーザーがサイト内のどのページを見ているのか把握する際に役立つ内部リンクです。
▼パンくずリスト例
また、パンくずリストはクローラーにとっても重要なリンクだと言われています。
設置することで「ページの階層構造」を提示するものとなり、クローラーがサイトのページを正確かつ完全に収集できるようになるためです。
パンくずリストは、ユーザーにとってもSEO的にも重要な内部リンクなのでサイトの規模に関係なく、導入するようにしましょう。
グローバルナビゲーションとは、ページ上部にありユーザーが目的のページへ指導しやすいように設定されているメニューを指します。
▼グローバルナビゲーション例
どのページに訪れたユーザーにも他のページへの誘導を促せるだけでなく、クローラーにも重要なページを伝達する役割を果たします。
グローバルナビゲーションがあるだけで、サイトのクオリティが高まるので導入するようにしましょう。
サイドバーとは、ページのサイドに関連するコンテンツやカテゴリー一覧のリンクを貼るエリアです。
ユーザーへ情報を補足するのに役立ち、滞在時間や回遊率の増加を見込めます。
下記の例を基にぜひ設定してみてください。
コンテンツの下部には記事の内容と関連するページのリンクを設置しましょう。
他ページへの誘導を促し、離脱数の減少や回遊率・滞在時間の増加に繋げられます。
例えば、「オウンドメディア戦略とは」の記事のコンテンツ下部の内部リンクは下記の通りです。
ページに訪れたユーザーの検索意図から考えられる「追加であった方が良い情報」のコンテンツリンクを設置するようにしましょう。
HTMLサイトマップとはサイト内に存在するすべてのWebページへの内部リンクを設置し、サイト全体の構造をリスト形式で載せたものです。
HTMLサイトマップの構築には、ユーザーがサイト構造を理解しやすいというメリットがあります。
規模が大きくないサイトでは、ページを設けずサイドバーやフッターへの表示も可能です。
HTMLサイトマップはユーザーが簡単に他のページへアクセスすることが目的であるため、グローバルナビゲーションやパンくずリストがあるサイトには必須のものではありません。
そのため、小規模のサイトであるほど前述の内部リンク対策を徹底的に行い、HTMLサイトマップは時間が確保できてから作成するでも問題ないです。
内部リンクを設置する際の注意点を紹介します。
効果的な内部リンク施策を実施するためにも、下記の点に注意して進めていきましょう。
結論、内部リンクが多すぎるのは大きな問題ではありません。
注意する点は、不適切な内部リンクを多く貼ることです。
不適切な内部リンクとは下記のようなものがあります。
・ページの内容と関連性の低いページへのリンク
・前後の文章と関係のないページへのリンク
・アンカーテキストとリンク先の内容が一致していない
不適切な内部リンクはクリック数が減り、低品質な内部リンクとして評価されます。
また、リンクだけでなくそのようなリンクが貼られたページも低評価を受ける可能性があります。
内部リンクは闇雲に貼るのではなく、ユーザーにとって必要なものを適切な箇所に設定するように心掛けが必要です。
評価したくないページの内部リンクには、ページとの関連性を示さずクローラーを巡回させないようにする「nofollow設定」を行うようにしましょう。
前述した通り内部リンクで繋いだページには、リンクジュースを受け渡します。
リンクジュースを”評価したいページ”へ最大限かつ効率的に送るためには、リンク先を減らすことが有効的です。
そのため、ユーザー目線では内部リンクはあった方が良いけど、評価はしたくないページには、nofollow設定を行うようにしましょう。
また、同じ理由でnofollow設定はクロールの必要がないとクローラーに伝達するためにも有効的です。
nofollow設定をするページの例としては「採用ページ」等が該当します。
”評価したいページ”へ効率よくリンクジュースを送るために、nofollow設定を活用しましょう。
インターネット環境により画像が表示されない場合のために、バナーリンクには画像の代わりになるテキスト「altタグ」を設定するようにしましょう。
altタグはユーザーに対してだけでなく、検索エンジンに対しても画像の内容を適切に伝える役割があります。そのため、altタグ内にも対策キーワードを含めるようにしましょう。
必ずしもネット環境の良い場所や画像が表示されるデバイスでサイトが見られるわけではないので、様々なパターンに対応できるように構築することで、よりユーザビリティの高いサイトを目指すことができます。
弊社運営サイトの事例を紹介します。
運用当初は、下記のような課題点がありました。
・一部の記事への流入しかなく、売上もそれら記事への依存度が高い
・新しく記事を追加しても上位掲載を獲得しづらく、そもそもインデックスもされにくい
・重要なページの掲載順位が上がりづらい
そこで、内部リンクの貼り方とコツをもとに内部リンク構造の見直しを実施しました。
具体的には、トピッククラスターモデルの構築の徹底やユーザーアビリティの観点からサイドバーやコンテンツ下部の内部リンクの追加を行い内部リンク構造を最適化させました。
その結果、2ヵ月でデイリーの表示回数を2,500回→42,000回、クリック数を24回→1,100回、平均順位を30位→10位へ上昇。
施策期間中は、外部内部で起こった変動だけでなく競合リプレイスなど様々な要因に関しても調査しました。しかし、それらの影響を受けている様子はなく内部リンク施策の効果が大きかったと仮説しています。
適切な内部リンク施策は、サイトが抱える課題を大いに解消する効果を持っており、サイト全体の評価の上昇に貢献することが分かりました。
サービス詳細:LeoSophia流SEOオウンドメディア支援内容はこちらをご覧ください。
内部リンクの確認・管理ができるおすすめのツールを紹介します。
ページ数が増えてくると内部リンク構造が複雑化し管理が難しくなっていきます。
そのため、ツールを活用することで使った管理方法をおすすめします。
GoogleSearchConsoleを利用すれば簡単にページ内に貼られているページが確認できます。
確認したいページの内部リンク数やどのページが紐づけされているのか羅列して確認したい場合に役立つでしょう。
「上位の内部リンクページ」は内部リンク数の多いページ順に並んでいます。
内部リンクが少ないページを確認し、内部リンクを追加で貼ることは出来ないかなど検討してみてください。
WordPressを利用しているのであれば、「Show Article Map」がおすすめです。
Show Article Mapでは、紐づけられた内部リンクをマップとして可視化できます。
四角が各記事、矢印が内部リンクの繋がり、色はカテゴリーを示します。
マップ状で表示されるためページ間の内部リンクの関係性が確認できるだけでなく、内部リンクのつけ忘れや孤立しているページを簡単に見つけられるでしょう。
そのため、トピッククラスターモデルを構築しやすく強いサイトをつくりあげるのに役立ちます。
この記事では、内部リンクの基礎情報から貼り方・貼る場所に加え注意点や事例を紹介してきました。
様々な方法やコツを紹介しましたが、内部リンク施策を行う際に最も重要なのは、「ユーザビリティの高い内部リンク構造」であることです。
ユーザーの利便性が高い内部リンク構造は、サイト全体の評価上昇に寄与します。
サイト運営をしていく上で、内部リンク構造の構築は必須です。
当記事を参考に、適切な内部リンク構造と強いサイトを構築していきましょう。