オウンドメディアは意味ない?よくある失敗や成功の秘訣を紹介

PUBLISH DATE //

オウンドメディアはあらゆる検索クエリで上位掲載を獲得できれば、広告費をかけずに継続的な流入を確保できる魅力的な施策です。

一方、運用の難易度も高いので「このままオウンドメディアを運用していても意味がないのでは?」と感じる担当者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、弊社が過去100以上のWebメディアを運営してきた中で「オウンドメディアの運用が意味をなさないケース5つ」「成功に導くための秘訣5つ」を紹介します。

オウンドメディアを運用する意味がない?失敗する5つのケース

オウンドメディアを運用する意味がない理由として、大半のケースで以下5つのどれかに当てはまっていることが考えられます。

  • 目的や戦略がないままオウンドメディアを運用してしまう
  • 社内準備が整っていない状態で運用を始めてしまう
  • オウンドメディアに短期的な費用対効果を求める
  • 質の低いコンテンツを作っている
  • ドメインが育っていない状態で競争の激しいジャンルへ参入する

目的や戦略がないままオウンドメディアを運用してしまう

オウンドメディアを運用する目的は、大きく以下5つに分けられます。

  • 認知拡大
  • リードの獲得
  • 売上の獲得
  • ブランディング
  • リクルーティング

「競合が始めているからうちも始めないと」といった理由でなんとなく始めてしまっても、投資に対するリターンを十分に得られない運用になってしまいます。

上記5つのどの目的で運営していくべきなのかを明確にすることで、目標や戦略が定められるようになります。まずは自身の事業においてどのような目的でオウンドメディアを運用するべきかを明らかにさせましょう

オウンドメディアに短期的な費用対効果を求める

オウンドメディアは運営してから半年~数年間のスパンで、効果が現れてくる施策になります。

以下は弊社が実際に運営をしてきた脱毛メディアのクリック数推移です。運営開始から約8ヶ月で1日あたりのクリック数が1万を超え、目立った効果が現れてきた事例になります。

メディアローンチ              :2022年10月31日

デイリーのクリック数が初めて1,000を超えた日  :2023年3月25日

デイリーのクリック数が初めて10,000を超えた日:2023年7月9日

効果が出るまでに時間がかかる理由は、Googleが新規で出したページを認識するのに3~6か月間ほどかかり、その後にページのあらゆる項目をチェックして検索順位を決めるためです

したがって半年以内の短いスパンで費用対効果を求めるのであれば、広告の出稿などの別施策に注力するのが望ましいでしょう。

社内準備が整っていない状態で運用を始めてしまう

オウンドメディアを運営していくには、人員・資金・社内理解の3つが欠かせません。

まず人員ですが、オウンドメディアを運用していくためには以下の役割を担える人材が必要になります。

ディレクターGoogleの最新のアルゴリズムを常に把握し、メディアを適切な方向に導く人材。
編集者ライターが執筆した記事を校正し、コンテンツの質の高さを担保する人材。
ライター深いジャンル理解に基づいて、記事の執筆を行う人材。
エンジニアオウンドメディアの構築や保守運営をコーディング側から対応する人材。
デザイナーWebサイトのデザイン制作や、記事内画像およびイラストの作成を行う人材。

これらの人材のリソースを、オウンドメディアに対して投資し続ける資金も必要になります。

また、これらの人材に対する投資が必要なこと、年単位の長期スパンで効果が出てくる施策であることを、社内で理解されていない状態だと効果的な運用が難しいです。

運営の目的、期待できる効果、成果が出てくるまでのスパン、必要な人員や予算を明確にし、社内の理解を得たうえでオウンドメディアの運用は行っていくのがおすすめです。

質の低いコンテンツを作っている

ユーザーニーズやGoogleの検索評価ガイドラインを無視したコンテンツでは、検索上位の獲得は非常に難しいです。

特にGoogleが重要視している”E-E-A-T”でも、「経験(Experiense)を経て作られたコンテンツか」「専門性(Expertise)が担保されたコンテンツか」が求められています。

SEOライティングの専門知識や執筆ジャンルの知見がないライターが、競合記事を参考にして執筆しただけの記事では、経験や専門性を持って執筆されたコンテンツではないと判断されてGoogleの評価を獲得することができません。

一定のコストをかけてでも、SEOの知見があり、執筆ジャンルのインプットをしっかり行ってくれるライターを登用するのが望ましいです。

ドメインが育っていない状態で競争の激しいジャンルへ参入する

コンテンツの質がどれだけ高くても、コンテンツを配信するドメイン自体が競合と比較して育っていないと、検索上位の獲得は難しいです。

Ahrefs(エイチレフス)と呼ばれる有料ツールで、各サイトのドメインの強さを示す”ドメインランク”を確認することが可能です。

画像引用:SEOの被リンク分析・競合調査ツール | Ahrefs(エイチレフス)

ドメインランクは0から100の数値で示されますが、上位掲載を狙いたいキーワード群で上位10サイトのドメインランクと20以上の大きな差が開いてしまっている場合は、別のキーワード群を狙うか、別の施策を講じる方が望ましいです。

オウンドメディアを成功に導くポイント5つ

オウンドメディアの運用が意味ないケースを紹介してきましたが、逆にどのような運用をしていけば成功に導くことができるのでしょうか。弊社が重要と考えるポイントは以下の5つになります。

  1. キーワードの戦略設計を詳細に実施する
  2. 適切な運営体制を整える
  3. Googleのガイドラインに沿ったSEO対策を施す
  4. 記事やサイトに対する継続的なメンテナンスを行う
  5. SNS等のマーケティング施策とオウンドメディアの棲み分けを明確にする

1.キーワードの戦略設計を詳細に実施する

オウンドメディアは、大半のユーザーが検索エンジン上での検索行動を経て流入してきます。したがって検索画面に入力する”キーワード”の分析と、そこに基づく戦略設計が非常に重要になります

Leo Sophiaではオウンドメディアの運営を始める際は、以下のフローで必ず綿密にキーワードの戦略を設計しております。

  1. オウンドメディアの目標とコンセプトを定義
  2. 3C分析によって自社・競合・顧客の解像度を高める
  3. 3C分析によって得た情報から検索キーワードを抽出
  4. 検索キーワードのスクリーニングを行う
  5. 各キーワードのグルーピングを行う

キーワード戦略設計を行うことで、カニバリゼーションの回避トピッククラスターの構築につなげることができるので、Googleから高い評価を得られるオウンドメディアを運用することができます。

※カニバリゼーション

自サイトの複数ページが「同一検索キーワード」「同一検索意図」に対して競合し合ってしまう状態のこと。カニバリゼーションが生じると、Googleからの評価が分散し、両ページが低い掲載順位になってしまうリスクが高まります。

※トピッククラスター

自サイトのページを戦略的にグルーピングし、Googleのロボットやユーザーがサイト内を回遊しやすい状態を作る戦略。

2.適切な運営体制を整える

既に触れたようにオウンドメディアには、ディレクター・編集者・ライター・エンジニア・デザイナーのあらゆる人材が必要です。

これらの人員を、年単位でオウンドメディアに対して投資し続ける予算と、社内の理解を得て始めて、オウンドメディアを運営していくことができるようになります。

3.Googleのガイドラインに沿ったSEO対策を施す

Googleが提示するガイドラインに沿って、「コンテンツ(記事)」と「ドメイン」の双方に対して適切な処置を施していくことが重要です。

3ー1.良質な記事を執筆する

記事制作はGoogleの検索評価ガイドラインに沿って執筆をしていく必要があります。

ただ、こちらのガイドラインでも抽象的な表現に留まる記述も多々あるので、Leo Sophiaでは現在も運営している50以上のメディアの数値情報も踏まえて作成された「独自チェックリスト」を活用して記事の品質を保っています

記事執筆レギュレーション

弊社の独自レギュレーションの一部

チェック項目の数としては70以上存在しており、1つの記事を作成するだけでもあらゆるルールに沿って記事を作成する必要があります。

3ー2.外部対策によるドメイン強化を行う

良質な被リンクを継続的に獲得していくことで、ドメイン自体の強化に繋がります。まだドメインが育っていなく、競合メディアとのドメインランクの差分が大きい場合は、ドメイン強化も並行して実施することで、オウンドメディアの成功に近づくことができます。

一方、短期間で大量の被リンクを獲得するような不自然な動きは、Googleからのペナルティの対象になるので、自然な形で良質なリンクを獲得できる状態を作ることが重要です。

4.記事やサイトに対する継続的なメンテナンスを行う

新しい記事を出すだけではなく、公開された記事の情報を詳細に分析して、適切なリライトを施しましょう。

どのようなリライトを施すべきかを考えるにあたり、Google Search ConsoleやGoogle Analyticsで掲載順位の推移やユーザー行動を分析するのがおすすめです。

Google Search Console

Google Analytics

【確認ポイント】

  • 掲載順位の推移
  • 表示回数に対して高いクリック率を記録できているか
  • ページ内の滞在時間がどのぐらいか
  • 他ページへの回遊を促せているか

また、記事単位のリライトだけでなく、サイト自体に対するメンテナンスも確実に行っていきましょう。Google Search Consoleにてペナルティの有無を確認できるので、仮に警告表示がある場合は、そちらに対する処置を施すことでサイト全体を健全な状態に保つことができます。

5.SNS等のマーケティング施策とオウンドメディアの棲み分けを明確にする

SNSアカウントの運用や広告への出稿など、各マーケティング施策との違いを理解し、オウンドメディアが果たすべき役割を認識した上で運営していくことも重要です。

代表的な施策として挙がる「SNSアカウント運用」「Web広告」と比較して、オウンドメディアがどのような特徴を持っているか把握し、各施策が果たすべき役割をしっかり認識しておきましょう。

【効果の現れ方】

オウンドメディア中長期で効果が現れてくる。
SNSアカウント運用中長期で効果が現れてくる。
Web広告短期で効果が現れる。

【資産性】

オウンドメディア高い。
SNSアカウント運用高いが流行り廃りに左右されやすいので、オウンドメディアには劣る。
Web広告低い。継続的に広告費をかけて出稿し続けないと、露出し続けることが難しい。

【運営方法】

オウンドメディア”文字”を中心とした企業側からの一方向の発信。
SNSアカウント運用”画像”や”動画”のビジュアルを中心とした発信。ユーザーを巻き込んだ双方向のコミュニケーションが可能。
Web広告企業側からの一方向の発信。Googleの”リスティング広告”、各種SNS上の”SNS広告”と、媒体をまたいで運用することが可能。

【情報の受け取り方】

オウンドメディア検索エンジンを通して、主体的に情報を獲得。
SNSアカウント運用アルゴリズムに沿って受動的に情報を獲得。
Web広告リスティング広告の場合は主体的、SNS広告の場合は受動的に情報を獲得。

同じく資産性の高いSNSアカウント運用と比較すると、「文字中心かビジュアル中心か」「コミュニケーションの方向性」「情報の受け取り方」の3点で大きく特徴が異なります

オウンドメディアとSNSアカウントが、それぞれ単独では担えない役割を、もう一方の施策で補うことでマーケティングの効果を最大化させることができるので、それぞれが果たすべき役割がどの領域になるかを明確にして、オウンドメディアを運営していくと良いでしょう。

BtoBの企業でオウンドメディアをやる意味はない?

オウンドメディアの施策はBtoCの企業の施策のイメージが強いかと思いますが、結論BtoBの企業こそオウンドメディアを検討するべきです。

主な理由としては以下が挙げられます。

  1. 注力している企業が少なく競争が弱い可能性がある
  2. 営業の効率化につなげられる
  3. 検討期間が長いのでコンテンツとの相性が良い

1.注力している企業が少なく競争が弱い可能性がある

BtoBの企業はBtoCと比較すると、オウンドメディアを展開している企業はまだ少ないと言えます。したがって、潜在層向けのキーワードでの対策が業界全体として不十分だったり、ドメインランクで大きな差がついていないサイトと戦えたりするケースが比較的多いです。

適切な戦略設計を行い、既に言及した成功に導くための対策を講じていけば、事業に大きく貢献できる施策になる可能性は高いと言えるでしょう。

2.検討期間が長いのでコンテンツとの相性が良い

BtoBの商材の特徴として、「検討期間が長い」「購入の意思決定が複数人にまたがる」の2点があります。このような商材の場合、購入の意思決定に関わるステークホルダーに対して情報を正確かつ網羅的に届けることが求められますが、オウンドメディアのコンテンツがその役割を果たすのに最適な手段になります。

3.営業の効率化につなげられる

オウンドメディアで展開するコンテンツがリードナーチャリングの役割を果たし、商談の段階では既にホットリードになっている状態を実現することも可能です。

またSEO対策のような情報のアップデートが激しい商材を提供する企業においては、営業資料を都度更新する負担が大きくのしかかりますが、オウンドメディアでコンテンツを定期的に更新する状態が作れている企業であれば、最新の情報はコンテンツに補ってもらって説明することもできます。

意味のあるオウンドメディアにしていきたい担当者はLeo Sophiaへお問い合わせください

このようにオウンドメディアは、抑えるべきところを抑えた運営ができれば精度高く成功に導くことができます。しかし内製でやりきるのはリソース・専門知識の観点で難しいこともあるでしょう。

Leo Sophiaはオウンドメディアを運営するためのあらゆる施策を一気通貫でご支援が可能です。

オウンドメディアを運営していく意味があるかどうかからアドバイスさせていただくことも可能でございますので、お気軽にお問い合わせください。